無料の力は、自分勝手なあなたの行動を止めてくれます【社会規範の原理】

こんな方におすすめ

  • 無料と社会規範の関係性を知りたい。
  • 社会規範の適用と思いやりの関係を知りたい。
  • 無料が思いやりの関係を作ってくれる理由を知りたい。

 
前回の記事でもお話ししたように、社会規範が適用される状況にお金がからんでくると、市場規範が働くため、ボランティア精神で働く意識が消えてやるきが無くなってしまいます。

楽しい無料奉仕活動も、お金をもらうと楽しくなくなる【社会規範のコスト】

例えば

友人のBさんに、部屋の重たい棚の移動を手伝って欲しいと頼みたいAさん。

➀無料で頼む

➁500円払うから、手伝ってくれと頼む

➀の無料で頼んだ場合「まあ、Aとはいつも一緒につるんでる中だし、手伝ってやるか」と友人のBさんは手伝ってくれるでしょう。

しかし、➁の場合はどうでしょうか?

「500円って、時給換算したらかなり少ないじゃん。俺そんな安い男じゃないし。」

このように、Bさんは時給の低すぎる仕事と考えて、手伝おうと判断しないかもしれません。

もちろん、手伝いの報酬金額に5000円出すと言えば手伝ってくれるでしょうね。

ポイントをザックリまとめると、

社会規範が適用できる状況で、金銭の支払いを相手に伝えると、市場規範の法則が適用されて、ボランティア精神で手伝おうとする相手のやるきを奪う可能性があるということです

無料キャラメルと有料キャラメルの違い

考えを逆転させて、こちらが何かしらの物を相手に提供する場合はどうなるでしょうか?

ある大学での実験を参考にして、考えていきます。

学生センターの前に売店を設置。

➀持ち帰り自由の無料キャラメル

➁1個5円のキャラメル

二つのパターンを、1時間毎を目安に交互に切り替えていった。

すると、➀の無料パターンでは、約200人の学生が立ち寄り、キャラメルを持っていきました。

➁の有料パターンでは、約60人の学生が立ち寄り、キャラメルを購入していきました。

ザックリまとめると

無料のパターンでは、有料に比べると約3倍くらいの数の学生が立ち寄ったことになる。

価格がゼロになったことで、商品を求める人が増えたわけです。

では、無料になったことで、学生はキャラメルを大量に持って行ったのでしょうか?

あなたはきっと、

無料キャラメルに立ち寄った学生の数が3倍で、キャラメルの金額がゼロなので、ものすごい数のキャラメルがなくなっていったんじゃないかと考えますよね

答えは、NOです。

なんと、

学生たちが無料で持っていったキャラメルの数は、有料で購入されたキャラメルの数よりも少なかったんです。

結果、

有料キャラメルの一人当たりの平均購入数は、3個から4個。

無料キャラメルを持ち帰った一人当たりの個数は、1個でした。

キャラメルが無料になった途端に、学生たちは社会規範を適用して、自分たちの行動を自制して、キャラメルを一つだけ持って行ったんです。

そして、無料につられて立ち寄る学生の数は増えたんですが、一人当たりの持っていく数が減ったことで、有料で購入されたキャラメルよりも全体として総数が少なくなりました。

実験から分かったのは

物のやりとりにお金が絡まないとき、あなたは自分の利益を追い求めずに、周りの他人の幸せにも配慮をするようになるということです。

無料になることで、物の魅力度が増して多くの人が集まるんですが、あなたは他人のことを思いやったりして、自分の欲望を満たすだけの行動にブレーキをかけるようになる。

しかし、お金が絡んでくると、社会的規範が適用されず、自分の欲望を満たすことに集中し行動のブレーキがかからなくなるんです。

労力と社会規範

無料での物のやりとりに社会規範が適用されたなら、無料の労力についても、社会規範が適用されるのか?

答えを検証するためのある実験が、行われた。

研究所の周辺で、職員Eさんが、たくさんのチョコレートを乗せたワゴンを押して歩き回った。

➀無料パターン:無料のチョコレート、いかがですか?

➁有料パターン:5円のチョコレートです。いかがですか?

➂労力パターン:この紙に書かれた「A」の文字が連続しているのを見つけるたびに、チョコを1つ差し上げますよ?

※➂の場合、Aが続いている数は、数十か所もあり簡単に見つけられる。

実験の結果、

➀の無料パターンでは、一人当たり1個から2個のチョコレートを持っていきました。

➁の有料パターンでは、一人当たり約30個のチョコレートを購入しました。

そして、➂の労力を使うパターンでは、一人当たり平均8個のチョコレートを報酬として手に入れました。

ザックリまとめると、

労力を提供するパターンでは、無料パターンに近い反応を示しており、社会的規範に近い考え方が適用されているんです

労力は、無料パターンほど社会的規範が生まれないんですが、市場規範に比べると、ある程度の社会規範を保てる。

例えば

  • 地域の清掃ボランティア
  • 老人ホームに行き無料でフラダンスを披露する
  • 無料の地域パトロール活動

など、労力に対する報酬が発生するわけではないので、経済効率は悪いですよね。

労働に見合った対価がないですから。

ですが、労力に金銭が発生していないことで、社会規範の範疇に収まっており、周りの人の幸せを考えるようになるんです

需要の法則×社会規範=思いやり

さらに、値段が下がったときの需要、コストがゼロになり無料になったときの需要パターンを調べた興味深い実験について、お話ししていきます。

ある大学で学生にチョコレートを販売していく。

➀チョコレートの金額を10円から、5円にする。

➁チョコレートの金額を5円から、1円にする。

➂チョコレートの金額を1円から、0円にする。

学生の需要は、どのように変化していくでしょうか?

➀のパターンでは、需要が約2倍増加した。

そして、➁のパターンでは、需要が約4倍増加した。

しかし、➂のパターンでは、チョコレートを手に入れようとする学生の数は増えたが、各個人が持っていくチョコレートの数が減ったため、需要の総数が半分まで減少した。

ポイントをまとめると

  • 需要の法則は、モノの値段を下げるほど適用され、需要が増加していく。
  • しかし、お金のやりとりが絡まなくなると、社会規範が発生して、需要が減少していく。
  • そして、社会規範が適用されると、周りの人の幸せを考えるようになり、あなたはモノを共同体の所有物だと認識する。

つまり、お金が絡まないことで社会規範が生まれて、社会規範が発生することで、あなたも私も他人のことを思いやるようになるんです。

おすすめの関連記事

【行動経済学の基礎】なぜあなたはその選択肢を選んだのか?【答えは相対性にあります】

【行動経済学の基礎】人はすべて相対性で判断している【事例付き】

【行動経済学の基礎】人はなぜ無料に飛びつくのか【0円の本当の魅力】

楽しい無料奉仕活動も、お金をもらうと楽しくなくなる【社会規範のコスト】

今ここ↓

無料の力は、自分勝手なあなたの行動を止めてくれます【社会規範の原理】

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です